子供嫌いな私に姪っ子ができた。どうしよう。
いつも報告はギリギリか、過ぎ去った後だ。
兄夫婦に女の子が生まれたらしい。いや早く言えよ。
まずはお兄ちゃんお姉ちゃん、おめでとう。
25歳にして、叔母になった。別にこれに関してはどうもこうも無い。
兄夫婦に子供が生まれたのだから、叔母になって当然という気持ち。
25歳にして、私の「身近な存在」に赤ちゃんが急遽爆速ランクインしてきたのだ。
どうしよう。
タイトルにもある通り、私は子供が大の苦手だ。
物心がついたときから私は常に親戚内でも末っ子、最年少、一番可愛がられるべき存在で、私自身がいくつも年下の人間を可愛がろうと思ったことなど今までの人生ほぼほぼ無かったに等しいのだ。
だから赤ちゃんに対する接し方もわからず、なんなら苦手意識さえも持ったままスクスクと育ってしまった。
そんなところに赤ちゃんの爆誕。いやムリて。
重ねて言うが私は本当に子供が苦手だ。
接し方がわからないをこじらせ、もはやもう子供が嫌いという境地にまで達してしまった。なのに兄夫婦のところに生まれた赤ちゃんに会いに行くことになってしまった。どうしたらいい。赤ちゃんになんて声をかけたらいいのだ。どんな顔で、どんなポーズをとりながら、、、?
もうどう考えてもかける言葉は初手「はじめまして。どうですか?地球」しか思い浮かばない。子供をあやすとか、ベロベロバーをするとか、100億%ムリだ。
そんなこんなで一人でワチャワチャ焦っていたら当日になった。
姪っ子に対面する当日だ。
父親も一緒に会いに行くことになったので、兄夫婦宅の近所で待ち合わせて一緒に呼び鈴を鳴らした。
いつも通り兄夫婦が笑顔で玄関のドアを開けてくれた。
でも今までとは違って、お姉ちゃんの両腕には小さな小さな赤ちゃんが抱えられていた。
「今ちょうど寝たところなんだよ」とお兄ちゃんが言い、赤ちゃんを起こさないようにみんなで静かにリビングに入った。
わあ~~なんか知らん赤ちゃんがいるなあ
と思った。それくらいなんかほんと他人事というか、冷めていた。この時は。
部屋に上がって早々に、お姉ちゃんが「赤ちゃん抱っこしてみる?」と言ってきた。
私は「赤ちゃん抱っこしたことなくて、、」とマジモンの怯みで返してしまう。
マジで怖かった。下手に抱っこなんてして何かあったら大変だと思ったから。
子供は苦手だけど、絶対に傷をつけたくないという意思はあった。
「大丈夫、首が据わってないから首の下に腕を入れて」などとレクチャーを受け、あれよあれよと私の両腕にこの世に生まれてまだ2か月しか経っていない赤ちゃんが収まってしまった。
まじまじとその顔を見つめる。
すげー----としか思えなかった。
なんかよくわからないんだけど、小さい命!!!!
お兄ちゃん(私の実の兄)とお姉ちゃん(お兄ちゃんのお嫁さん)の子供!!!!
と考えただけでなにかが爆発しそうだった。
小学生のころ一緒に遊戯王をやっていた私のお兄ちゃんが、、、父親、、、?
なんかそういう、今までのお兄ちゃんとの思い出とか、たぶんそういうのがバーッと走馬灯的に胸の中を流れて、熱くさせたんだろうなと思う。
今間違いなく目の前にお兄ちゃんお姉ちゃんの子供がいて、私の腕の中でにこにこしていて、ああ、これは何を犠牲にしても守らなきゃいけないわネ、と思った。
昔実家に柴犬がいたので、柴犬を抱っこしていたのと同じ要領で背中のあたりをトントンと叩いて、なんだかやけに目が合うので微笑み返してやって、なんだなんだ初対面のくせに、、と思いながらも私のなかにポカポカとした感情がこみ上げているのがわかった。
何度も言うが私は子供が苦手だ。
まず意思疎通が取れない。そしてうるさい。あとどう接したらいいのか皆目見当がつかない。
なのに今私の目の前でにこにこにこにこしているこの小さな人の形をした愛はなんだ。
なんだかこの文章を書きながら泣きそうになっている。
「愛おしい」という言葉、お前のためにあったのか?と思わず生後2か月の人間に尋ねそうになってしまう。
「子供嫌いの私に姪っ子ができてどうしよう」なんて杞憂だったのかもしれない。
まあ姪っ子が今後自我を持ち始めたらまた変わってくるのかもしれないけれど。
お姉ちゃんが「いつでも遊びに来て。一緒にご飯食べよう」と誘ってくれるので、また近いうちに遊びに行ってその時の感想をまた書こうと思う。